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結婚をしている人が、配偶者以外の異性と男女の関係になることを、一般に「不倫」や「浮気」といいます。
法律では、結婚をしているのに配偶者以外の者と性的関係を結ぶことを、「不貞行為」といいます。肉体関係を持てば不貞行為ですし、異性と同棲をした場合も通常は不貞行為です。他方、異性とデートをしたり、メールや電話をしても、肉体関係がなければ、通常は不貞行為には当たりません。(但し、不貞行為ではなくとも、損害賠償責任を負う場合はあります。)
「不貞行為」は「性的関係」に限定されますので、一般に用いられている「不倫」や「浮気」といった言葉とは、若干意味が異なるように思われます。
配偶者が不貞行為をした場合には、配偶者とその不貞の相手方の両方に対して、慰謝料を請求することができます。また、不貞行為は、民法で認められている離婚理由にもなりますので、離婚裁判(訴訟)を起こして離婚を求めることもできます。
ただし、不貞行為があったことは、不貞行為が存在すると主張する側が証明しなければなりません。したがって、不貞行為を裏付ける十分な証拠を用意できるかが、重要なポイントとなります。
配偶者が不貞行為(浮気、不倫)をしても、例えば次の場合には、慰謝料請求が認められません。
不貞行為の慰謝料の額は、事案によって大きく異なります。
不貞の慰謝料額を分析した論文によれば、東京地方裁判所の平成27年から28年にかけて判決が言い渡された事件をみると、慰謝料額は150万円から200万円が最も多く、次いで、100万円から150万円、200万円から250万円となっています(大塚正之「不貞行為慰謝料に関する裁判例の分析(1)」(家庭と法の裁判(日本加除出版)2017年7月号14頁))。もっとも、100万円を下回る判決や、300万円を超える判決も少なからずあります。事案によって、慰謝料額が大きく異なります。
裁判では、事案の特徴を的確に捉えたうえで、慰謝料の金額に影響する事情を拾い出し、適切に主張し、有利な慰謝料額を認めてもらうことが重要です。
また、慰謝料とは別に、自分が依頼をした弁護士の弁護士費用についても、損害賠償請求が認められる傾向にあります。ただし、実際にかかった弁護士費用全額が認められるわけではなく、他の損害額の1割程度が弁護士費用として認められることが多くなっています。
また、浮気調査を興信所に依頼した場合の調査費用についても、損害賠償請求が認められることがあります。ただし、請求が認められるとしても、必ずしも調査費用全額の賠償が認められるとは限りません。また、興信所に依頼をしなくても他の証拠で不貞行為を証明できる場合には、必ずしも興信所に調査を依頼する必要がなかったとして、調査費用の請求が認められないことがあります。
既婚者の男性と女性が不倫(浮気)をすることを、「ダブル不倫(W不倫)」といいます。
ダブル不倫の場合、通常の不倫と比べて、注意しなければならない点が多くあります。
ここでは、次の2つの夫婦を例に、ご説明します。
①A夫婦(A(夫)、A(妻))
②B夫婦(B(夫)、B(妻))
A(夫)とB(妻)が不倫をした場合、お互いに配偶者がいますので、ダブル不倫となります。
このとき、慰謝料を請求する者、請求される者の関係は、次のとおりです。
ここで、A(妻)の立場に立って、どう対処するのが良いか、考えてみましょう。
A(妻)がA(夫)と離婚をするのであれば、A(夫)とB(妻)に対して慰謝料を請求しても、基本的に問題はありません。A夫婦が離婚をするのであれば、B(夫)がA(夫)に慰謝料を請求しても、A(妻)にとっては関係のないことです。
しかし、A(妻)がA(夫)と離婚をしないとなると、話は単純ではありません。A(妻)がB(妻)から慰謝料を支払ってもらっても、B(夫)がA(夫)から同じ額の慰謝料を支払ってもらうことになれば、A夫婦全体でみると金銭的なメリットがないからです。また、A(夫)の支払う慰謝料が、B(妻)の支払う慰謝料よりも多額になれば、A夫婦全体でみると金銭的に損をすることになります。
このように、A(妻)が離婚をしないのであれば、B(妻)に慰謝料を請求するかについて、金銭的にメリットがあるのかどうかを、慎重に判断することが必要です。
なお、A(妻)がB(妻)から慰謝料の支払いを受けた後、A夫婦が離婚をした場合、その慰謝料は、財産分与の対象とはなりません。したがって、A夫婦が離婚をしても、慰謝料分は全てA(妻)のものとなります。
不貞行為を証明する証拠としては、次のようなものがあります。
裁判になると、いくら真実であっても、証拠がなければ不貞行為を認めてもらうのは困難です。そのため、どういった証拠を準備できるかが、重要となります。
決定的な証拠がなくても、複数の証拠を組み合わせることで、証明できることもあります。証拠から不貞行為が認められるかについての判断は、事実認定についての裁判所の考え方を理解する必要があります。そのため、弁護士へのご相談をお勧めします。
不貞行為を理由に慰謝料の支払いを求める場合、一般的には、まずは相手方と協議をして、示談による解決を目指します。
そのために、慰謝料を請求する文書を、内容証明郵便などで相手方に送ります。適切な内容の文書を作成するためには、法的な知識や経験が必要となります。
協議がまとまらなければ、法的手段を取ることになります。具体的には、管轄の地方裁判所(訴額が140万円以下の場合には簡易裁判所)に、慰謝料の支払いを求める訴えを起こすことになります。
管轄の裁判所は、①慰謝料を請求する人の住所地か、②訴えの相手方の住所地か、③不貞行為があった地を管轄する裁判所です。例えば、浮気(不倫)の相手方が東京にいても、慰謝料を請求する方が広島市に住んでいれば、広島地方裁判所に訴えることができます(広島の地方裁判所には、広島県内に広島地方裁判所(本庁。広島市中区)、呉支部、尾道支部、福山支部、三次支部があります。) 。
また、配偶者の浮気が原因で夫婦仲が悪くなり、家庭裁判所で離婚訴訟をしている場合には、関連請求事件として、家庭裁判所に不貞行為の慰謝料請求の訴えを起こすこともできます(人事訴訟法17条)。
裁判で勝訴すれば、勝訴判決に基づいて強制執行ができます。例えば、相手方の給料債権や預金口座を差し押さえ、そこから回収することもできます。ただし、相手方の財産は、強制執行をする者が調査し、特定しなければなりません。相手方が慰謝料を任意に支払ってくれなければ、相手方の財産を発見しない限り、慰謝料を回収することはできません。
相手方の財産を発見するための法的手段もありますので、そうした手段も利用して財産の発見に努めることになります。
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